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「わ〜い!!親子で遠足だ!ミラージュランドだぁ〜!」とはしゃぐのは母だけなのだろうか。5月8日は保育所へ入園したばかりのゆーきが初めての遠足を体験する日である。私は言葉をはずませ、「ゆーき、親子遠足があるんだよ!お弁当を持ってミラージュランドだ!水族館へ行けるぞ!!」と言ったとたん、入園したてに肺炎で12日間も保育園を休んでいたゆーきの眉間にシワがよった。「楽しいねぇ!みんなでお弁当食べて水族館見て、お友達も一緒だねぇ」と続ける母にゆーきはこう答えた。『水族館でお弁当なんか食べられないなぁー。だってポチャーンと水の中に落ちてしまうないけ』「な〜ん。きっとお外で食べるがかもしんないよ?」『でも外でやったら風がビューッと吹いて、飛ばされてだめやわいね』となんだか乗り気でないようだ。初遠足は果してどうなる事やら見物である。 一方みゆうは近頃簡単な問いに答えてくれるようになった。「みゆう、おしっこしたの?」首を大きく縦に振る。「みゆう、おむつぱんぱん交換するか?」首を大きく縦に振る。先日、うんちくんをふんばって赤い顔をしているみゆうを目撃した私は、「みゆう、うんちくんしとるがけ?」と訊ねると、律儀にも、ふんばりながら首を大きく縦に振ってくれた。大変な最中快く返事をしてくれて、ありがとね。みゆう。 |
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なんだかゆーきがそわそわしてる。どうやらオチンチンがかゆいようだ(本人の名誉のため書き足しておくが決して変な病気とかではなく単なるじんましんだ)。「あたやん!おくすりぬって!」『オチンチンかゆいがけ?』と一応問いかける私。「そうだよ。だから痛くないようにぬって。」とまで言われたので、そっと腫れ物を扱うようにぬっていると、「ンフフフフ…。」と言い出した。『アレ?痛かった?』という質問にゆーきはこう答えた。「おくすりぬるのって気持ちがいいねぇ…。」ひょっとしてコレッて危ないのかナ?としばし悩む母。 そしてまた別の日、お風呂での出来事である。つま先立ちをして鏡で遊んでいたゆーきが「アチチチチ!」と言い、しきりにオチンチンをさわっている。どうやれらお湯が出る蛇口の管の上にタマタマがポッテリとのり、熱かったようだ。男の子の大切な急所だし、しばし考えた末、とりあえずガーゼのハンカチを水で濡らし、患部を冷やしてみることにした。「はぁぁぁ」とゆーきは言った。いくらお風呂とは言えやはり水で冷やしたから寒かったのかしら、などと心配する母の心とは裏腹に彼はこう付け加えた。「冷たくて気持ちいいねぇ〜。」 子供は素直で純粋なのが一番いい。でもその素直さが時として親を惑わせることもあるというのを母は学んだのであった。 |
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親の私から見るとみゆうは赤やピンクが似合うようなタマではないと思う。産まれたての頃は女の子なんだから…とそれなりのものを着せてはみたがなんだか浮いている。今ではすっかり黒とか白とかのいわゆるダークカラーでタンスの中は埋まるようになった。 1才2ヶ月になったばかりのある日、外出先にみゆうの靴を持っていくのを忘れたので急きょ、買うことになった。店先でまず夏らしい白い靴を履かせる。反応は今一つ。私が一押しの黒い靴を見せてみる。首を大きく横に振るみゆう。茶色の靴を見せる。またまた首を大きく横に振った。ピンクの靴は絶対に買いたくないと思いながらもどんな反応を示すのかを知りたくてみゆうに見せる。大きく縦に首を振る。しかもニッコリの笑顔つきである。赤の靴でもやはり大きく縦に首を振る。ピンクの靴を嬉しそうに抱きかかえるみゆうをよそ目に白い靴を買ってしまった私は鬼ババかしら? ところで1才の誕生記念に城端町から写真撮影の無料券をいただいた。よ〜し撮りに行くぞ〜っ!とフッと我が子を見ると青鼻を2本垂らしている。この顔が一生の記念に残るのかと思うとあまりにも情けない。かわいそうなのでカゼが治ったら撮りにいくぞ〜!!とハリキッている。城端町さんありがとうございます。しかし、みゆうは近頃妙に鼻水をたらした状態が板についてきて、これまた上手に大きな鼻ちょうちんをいとも簡単に作る。やっぱりピンクが似合うタマではないと再確認する母であった。 |
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みゆうはこの世に生まれおちた時からおむつ交換が大嫌いで、おむつを交換する度にそれは大きい声で泣いている。生後1ヶ月頃のうんち飛ばし記録(50cm)も、泣く時におもいっきりふんばるゆえに出たものと思われる。 私はベビーネンネのおむつに出合ってから(ゆーきが紙おむつを嫌がっていたのもあって)みゆうはずっとベビーネンネ布おむつのみで育ててきた。が、歩けるようになってからというもの、両手両足で押さえつけてもみゆうのあばれようがすごく、足はうんちの中につっこむは、のけぞるはで親子でうんちまみれになる始末である。根気負けした私は紙パンツを使ってみた。本人ははく気満々で交換も楽であったが、その日一日は短気であった。翌日「みゆう、おむつどれにする?」と本人に紙と布を見せたら、みゆうは迷わず布おむつを抱え込み大きくうなづいた。「みゆう、このおむつしたいがなら、ねんころりんして!」とおねがいすると、なんと自分から素直にころがった。私はみゆうが生まれて初めて楽しいおむつ交換を経験したような気がした。 何かと忙しい親にとって布おむつを使うのは洗濯の手間や何やらで大変であるが、みゆうが生まれてから、ゆーきがおむつ干しとかたたむのを手伝ってくれたり、ゆーきの『ゆーちゃんの紙おむつ大嫌いやったぁ〜。やっぱりきもちいいおむつが一番』という言葉に励まされたりと、たかがおむつを通じて手間をかけることの大切さを学んでいるように思う母であった。 |
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「おっさん、バカヤロー!」 ゆーきと買物に出かけ、よその男の人に突然叫ぶのを目の前にして母はただただ顔を赤くしてあやまるのみである。四才ぐらいの子供にとってはこういった言葉が新鮮なんだという事はよくわかる。子供をしつけなければならない親の立場からすると"どうやって教えていけばいいのか"と頭を悩ますのだが、叱りつけたというところでどうにかなるものでもなさそうである。そこで思いついたのが自分が子供になって同じように楽しむことであった。 「あたやん。セロテープとってきて」『いやだよぉ〜!』と思いっきり口をとがらせて言ってみる。すご〜くいい気分。「あたやんおじさん。あたやんおばさん」とゆーきが歌えば『いやいやきれいないねいさん!』とフリ付きで歌ってみる。もう最高である。ちなみに私に何かしてほしい時は"〜してネ。きれいなおねいさん"と言うか、もしくはお肩をもみもみ攻撃をするようにと言ってある。結構 自分の本音で子供と向き合うダメな母ではあるが、時には同じ目の高さでつき合うのも楽しいなとも思う。 この場を借りてゆーきの友達の親御さん方にお詫びしなければならない事があります。「えっち!すけべ!どすけべ!いやぁん、ばっかぁん」とか、「おしりブリブリ攻撃」とお子さんが発せられているとしたらそれはすべて私が発した言葉をゆーきが保育所で広めているものと思われます。本当にごめんなさい。 |