漆器の扱いについて、一言長く(すみません)。
漆器は紫外線に弱いですね。ですからこれまでは屋外では使えないということになっています。
しかし、最近、天然漆の耐久性を高める研究が進み、屋外でも使える漆、食洗機でも耐久性が高い漆が開発されています。
この内容ははっきりとした記事を見つけてまたお知らせいたします。
木や布を素地として、天然漆を塗られた漆器は使った後、少々水につけていてもかまいません。むしろ、乾燥が激しい関東地区では使って洗うことを繰り返す方が漆器としての表情を生き生きとしてきれいにしていきます。
それは固まった漆が保湿成分を持ち続けるからなのです。最近の化粧品に入るようになったあれですね。みずみずしいのです。
しかし、もったいないといって使わないと漆塗膜はこの保湿成分を素地の木地から補充しようとします。使わない重箱の内隅が割れてくるのはこれが原因です。乾燥激しい住居にお住まいの方々は漆器を使った方が良いのです。
また、保管も家の中でじめじめしたところを選んでください。都市部ではじめじめ部分が少ないようですが、収納部分の上より下ですね。
ただし、下地を施した器で、使用中落として欠けたり、少し割れが発生したものはすぐに直しに出してください。そのまま使い続けると木地の内部に水分が染みこみ直しにくくなることがありあますから。
丁寧な下地、塗りが施されたものは水につけておいてもかまいません。使わない方が良いかもしれませんが磨き成分が入っていない洗剤ならばスポンジで洗ってもかまわないと思います。洗うときは先に漆器を洗ってください。洗いざらしのタオルでさっと拭き取ればそれで大丈夫です。
ただし、洗い桶に陶器やガラスなど硬度の高いものと一緒に入れたり、磨き材がついたスポンジで洗ったりしないでください。
電子レンジは内部の木地を炭化させますから厳禁です。(あるギャラリーでお嫁さんにやられたの、、、と持ち込まれた方がいました。大げさではないのです。)
なんかこう書くとやっぱりややこしそうと感じるかもしれませんが、ほかの素材で作られた器の説明書も細々書いています。
ガラス作家のT女史は私たちのグループ展のあdmを読んで、「ガラスの方が漆器より丁寧に扱ってもらわないとこまるんです・・・・」と言われていました。
オイル塗装の木製品は使う食べ物を選ばないとイヤなシミになることがあります。
土ものの陶器を洗うとき、欠けやすいから周りを開けて洗いますし、薄い磁器の上縁には細心の注意が必要です。
なぜ、うるしはそんなにも扱いづらいというモノになってしまったのでしょうか?(と問いかけてみたりして・・・・)
また長くなりました。ごめんなさい。
ではまた。
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